そろそろお年頃のあなた。

 

 

おうちでお母さんに「男の子と部屋でふたりっきりになってはいけない」とか、

「デートはグループで」だとかはたまた、

「そんなに短いスカートを穿いちゃダメ」とか。

小さかった時にはおよそ言われもしなかった小言を言われまくって、

ウザい…と思ってはいないかしら?

 

お母さんやお父さん、そのほかおとなはあなたのことをとても心配しています。

カラダは大きくなっても、やっぱりおとなから見ればあなたはかわいい子どものまま。

かわいいからこそ心配もするんですが…。

あなたもそれはおそらくわかっているのかも知れませんね。

 

だけどやっぱり…ウザいものはウザい。

もうちょっと信用してよ、とか。

ママやパパが心配してるのもわかってるわよ!

だけどそんなにしつこく言われたら余計に反抗したくなるじゃん!とか。

 

そんなティーンエージャーのあなたに。

私からちょっとくだけた感じで、でもマジメなお話をします。

 

 

 

*ここでは小学校高学年から高校生くらいまでの年代の女の子を対象に、

性教育の初歩を導入としてお話しします。

女の子が対象ですが、当然男の子が読んでも差し支えないような内容です。

この記事を読んで、身体のことや性についてさらに詳しく知りたいという方は、

出版物にもネット上の媒体にも優れたテキストがいっぱいあります。

専門的な内容はそちらに譲りたいと思います。

 

 

 

幼稚園や保育園に通っていたころ、もしくは小学校に入学したばかりのころ。

あなたは先生から「シークレットゾーン」という言葉を習ったかも知れません。

シークレット、つまり他人に見せてはいけない「ヒミツ」の場所。

おさらい。あなたのカラダのうち、水着を着たら隠れる部分。

そこがシークレットゾーンです。

男の子は下半身、パンツを穿いて隠れる部分。

さらに女の子は胸のあたりも隠しますよね。

 

なぜ、水着で隠れる部分はあなたのカラダにおいてヒミツの場所なのか。

その理由は、隠す部分があなたにとって、

とってもプライベートなパーツだから。

 

私は女性なので、

今日は特に女の子のカラダについて詳しく説明したいと思います。

 

まずは、パンツで隠れる下半身の部分について。

ここは男の子にとってもヒミツ、そう、シークレットな場所です。

女の子にとっては胸元もシークレットゾーンとされますが、

その理由は最後にお話します。

 

もう知っている人もいるでしょうが、

女の子の脚の間にはヴァギナと呼ばれる女性器があります。

「うわ~ぁ、いやらしい話…」なんて言わないで。

このヴァギナは、あなたにいつか好きな男の子が現れた時、

その大好きな男の子とひとつになったり、

ひとつになって身も心も許しあった結果として。

その大好きな男の子の赤ちゃんをこの世に生み出すための大切な場所なのです。

 

大好きな男の子といつか出会うまで。

その大好きな彼とひとつになったり、いつか彼の赤ちゃんのお母さんになるために。

シークレット。つまりヒミツにしておくべきところ、

大切にしなければならない場所なのです。

 

あなたにはもう生理が始まっているでしょうか?

またおさらいになってしまいますが、

女の子にとってはじめての生理を、特に「初潮」と呼びます。

 

 

 

*初潮はだいたい、小学校の5年生から6年生くらいで迎える女の子が多いようですが、

皆さんひとりひとりの顔が違うように、カラダの成長のスピードも人によってかなり異なります。

初潮を迎える時期に多少差があっても心配ありませんが、

もしも高校生になってもまだだよ…という場合は、

もしかしたら何か病気が潜んでいる可能性も考えられるため、お母さんや保健室の先生など、

信頼出来るおとなの女の人に相談したうえで、専門の病院を受診することをお勧めします。

 

 

 

おそらく、あなたのヴァギナは今のところ、

初潮を迎えてその後定期的に訪れるようになった生理の出血(経血)を外に出すためのものでしょう。

 

子どもの時におとなから「そんなところ、触っちゃダメ!」と、

意味もわからないまま注意されて、

以来何となくヘンな部分、恥ずかしいところ…。

そんなネガティブなイメージを持っている人もいるんじゃないかな。

 

昔は、女の子が下半身に興味を持ったり、

触れたりすることはとてもお行儀が悪くて、

悪いことだと考えるおとなもかなりの数実際に存在しました。

 

だけど、さっき私がお話したことを思い出してみて。

その部分はあなたがいつか出会う、大好きな男の子とひとつになったり、

大好きな男の子の赤ちゃんを産むためのもの。

そう考えたら、あなたのヴァギナはおかしくてヘンな場所どころか、

とっても大切なカラダのパーツのひとつなんだってわかるでしょう?

 

いつか出会う、大好きな男の子のために。

だから、ヴァギナとその周りはあなたのトップシークレット、

つまりとっても大事なヒミツの部分なんだよ。

 

だけどね、あなたのカラダのパーツはすべてあなたのもの。

シークレット、つまりヒミツの部分だから人前ではやたらと見せるべきではない場所だけど。

あなた自身が鏡などで映して確認したり、指で触れたりするのは全くオッケー。

 

ただ、何度も言うように、そこはあなたとあなたの大好きな誰かのためのとても大切なところ。

もしも触る場合には事前に手をきちんとせっけんでよく洗い、爪は短く切ろう。

あなたにとってのヒミツ…の部分なのだから、

自分の部屋など誰もいない安心出来る場所。

裸になっても差し支えのない、

あなたのプライバシーがきちんと守られるところで観察するようにしてね。

 

大切なところなのだから。

 

子どもの時に「そんなところ、触っちゃダメ!」と叱られた記憶が残るあなたであっても。

あなたの大切なカラダのパーツだよ。

お風呂に入る時には丁寧に洗う習慣を今から身に着けよう。

話のわかるお母さんであれば、

相談すれば「ヴァギナをきれいに保つことは女性のたしなみだものね」と。

あなたにその大切な場所の正しい洗い方を教えてくれることでしょう。

 

教えてくれる人が周りにいないとしても、

インターネット環境があるなら「シークレットゾーン 正しい洗い方」と、

検索すれば方法がヒットします。

おとなになっても自分の性器をきちんと洗えない女性はかなりの数いますが、

それはとても恥ずかしいことだよ。

だって自分のカラダのことすら把握出来ていない、自分がわかっていないことの証拠だから。

 

シークレットゾーン専用のせっけんも販売されていますが、

ティーンエージャーの皆さんにはちょっと高価過ぎるものです。

本当はそれくらい高いお金を支払ってでも大切にすべきところではあるけど、

買えないものはやっぱりムリだから。

通常はスーパーやドラッグストアに販売されている、

無香料・無着色のせっけんであればまあ大丈夫です。

間違ってもシャワーを浴びる時に普段使っているような、

ボディシャンプーや香りの強い石鹸などで洗ったりしないこと!

刺激が強すぎてものすごく痛みます!

 

あ、そうそう。生理の日は逆に洗い過ぎないこと。

生理の時はカラダの抵抗力も弱まってしまっているので、

洗うことで余計に刺激を感じて痛くなったり、

経血と合わさって雑菌が繁殖する原因になります。

 

生理の日はヴァギナとその周囲はシャワーで洗い流すだけにとどめたうえで。

むしろ湯船にゆっくりと浸かりましょう。

大丈夫。水圧がお腹にかかるおかげで、バスタブの中では出血はしません。

…湯船から上がるときは要注意だけど。

お腹と腰をお湯でゆっくり温めることによって、

つらい生理痛も緩和されるし、夜もぐっすり眠れます。

 

よく洗わないと臭うじゃん!そう思うかも知れませんね。

生理中の臭いの原因の殆んどは、経血を吸収したナプキンに雑菌が繁殖するため。

出血の量が少ない日も、ナプキンはこまめに交換しましょう。

汚れたナプキンを長時間あてることはまた、

シークレットゾーンのかゆみやかぶれの原因につながります。

 

そうそう、なかには「生理って面倒だし、気分も悪くなるし…サイテー」って、

思っている人もいるでしょう。

だけど、生理があるというのはあなたのカラダが女性である何よりの証拠。

そして、いつか巡り合う大好きな誰かの赤ちゃんを産めるであろうこと、

お母さんになれるカラダなんだよ…ってあなたの未来への一種の保証。

 

必ずしも結婚して出産することだけが人生の幸福とはいえません。

しかしながら、可能性としての結婚や、

出産して子育てをするという選択肢があることは、

あなたの未来をさらに豊かな希望で満たしてくれるはずです。

 

また、生理中はお腹や腰が痛かったり、

気分が悪くてイライラする…という人も多いことでしょうが、

それにもちゃんと理由があります。

 

生理の時期に何となく調子が悪いのは、

今はカラダが大事な時期。ムリはせず大切にしようね」って、

そうあなたの内側から教えてくれているってこと。

 

当たり前かもしれないけれども、これから幾ら技術が進化し、社会のシステムが変化しても。

出産だけは…なにがどうなっても女性にしか叶いません。

それくらい重たい責任のある仕事としての出産であり、

それを今から未来の約束として保証するための月経=生理。

女の子にとってそんな大切な未来への約束なのに、

普段と変わらない、ってほうがなんかおかしいとは思いませんか?

 

私が若い頃は、ひどい生理痛があっても出血量がどう考えても多く、

月の半分近くナプキンやタンポンを必要とするような状況であっても。

私がその事実についての不安を真剣に周囲のおとなに相談しても、

「そんなもん、女だったら誰でも我慢してるんだよ!」と一蹴されるのがオチでした。

 

それどころか、生理の話を他人にすることは、

いわゆる「下ネタ」を口にすることぐらいはしたなくて、

女性としてみっともないこととされていました。

 

でも…そうやって自分をないがしろにした結果。

私が本当に赤ちゃんを産みたい、そう思った時にはすでに手遅れでどうしようもない結果に。

私は好きな男の人の赤ちゃんを産めるどころか、

自分でも気づかないうちにとんでもない病気にかかっていて、

女性としてのカラダのパーツをすべて失ってしまいました。

私は病院でお医者さんから「なんでもっと早く相談しなかったの!」と叱られましたが、

…そういう自分の大切なカラダの問題を他人に話してはいけないと信じ込んでいるくらいに。

私は何も知らなかったのです。

 

 

私はもうすぐ五十歳になります。

だけど、これは十代のあなただって、関係ないことではないんだよ。

なぜなら、あなたも、そして私も年代こそ違えど、同じ女性だから。

 

生理の日は、あなた自身のカラダを、

そしてあなたの心を見つめなおす大切なチャンスかも知れないな。

痛かったり、しんどかったりするのは、

それだけあなたのカラダや心が「今は大事な時期だからもっといたわって」そう言っているんだよ。

 

生理の時期は出来るだけカラダを冷やさないように

サニタリーショーツの上にちょっと恥ずかしくても重ね履き用の大きいパンツを穿いたり。

いわゆるでかパンに抵抗を感じるとか冬場であれば。

タイツやレギンスもいいと思うよ。

とにかく生理の期間は勝負パンツや「見せぱん」ではなく、

自分自身のカラダをいたわるように心しよう。

 

いつもは面倒臭くてシャワーばっかり…なあなたも、きちんとバスタブに浸かってゆっくり入浴しよう。

コーヒーや紅茶、チョコレートなどカフェインが多いものや刺激が強いものは避け、

普段以上に早寝を心がけて睡眠はたっぷりとろう。

 

痛みやそのほか苦痛がひどい場合はゆっくり過ごすことを心掛けつつ。

生理の期間は例えば未来のあなた。

…好きな男の子とステキな恋をするあなた、お母さんになって幸せに暮らしているあなた。

そういうキレイな未来を想像して、女性としてのイメージトレーニングをして過ごすのもアリだよ。

そういう想像は若いあなたにとってムダでもヘンなことでもないんだよ。

だって、キレイな未来を夢見るからこそ。

自分のことをもっと大切にしたいと、そうも思えるんだから。

 

 

いうまでもないけど、そう心豊かに過ごそうと心掛けても。

例えば学校を休まなければいけないほど苦痛が大きいとか、

タンポンとナプキンを併用しても出血が多くてスカートが汚れてしまうとか。

月に10日以上の出血があり、なんかおかしいな…そう思う時には。

あなた自身のカラダのことだよ、ためらわずお医者さんに相談しよう。

 

本当はお母さんや信頼しているおとなの女の人にお話ししたうえで。

最初から婦人科を標榜しているお医者さんに診てもらえればベストだけど。

やっぱりちょっと…そんな抵抗があるなら、

かかりつけの、例えば内科のお医者さんとかでも大丈夫だよ。

 

お医者さんは患者さんの秘密を守らなければならないと決まっていて(守秘義務)、

そりゃあ、生命にかかわるような…あまりにもあなたのカラダが、

大変なことになっていればおうちの人などにも連絡することも起こりうるけれど。

 

基本的にはあなたの話を、誰にも言わないというスタンスのもときちんと聴いてくださって。

それでもあなたの話やあなたの様子から…やはりきちんとした検査や治療を必要とするよな。

お医者さんがそう判断した場合には、

大きい病院や専門のお医者さんに、

紹介状とともにあなたのことを引き継いでくださることでしょう。

 

もしも、お医者さんに相談してなんでもなければひと安心なのだし。

 

当然だけど、あなたがひとりで婦人科を受診するのもオッケーだよ。

お医者さんは決して、なんで十代のあなたがひとりで婦人科に来たの…などとは間違っても思ったりしません。

患者さんを診るのがお医者さんのお仕事なんだし。

 

あと、誤解されがちなのが「婦人科に行くと必ず下着をとって脚を広げた状態で診察される」だとか、

セックスの経験の有無を質問されるだとか…それもウソ

脚を広げて診察…することを正しくは「内診」といいますが。

必ずしも必要ない場合は行いません。

セックスにまつわる質問も同じ、マストじゃありません。

 

病院は恥ずかしくなるために行く場所じゃないから心配しなくたっていいんだよ。

さっきお話ししたようにお医者さんはあなたとの秘密を守る約束があるし。

あなただって…もう本当に言いたくないことは言わなくてもいいんだよ。

 

お医者さんはプロだから、あなたが言おうが言いまいが、

あなたのカラダについて大体のことは判断がつくように日頃から訓練していて。

そういう専門の勉強をされてきているので心配要らないよ。

 

 

 

いつか好きな男の子と、本当に好きな男の子と出会って。

その彼と…彼が好きだからこそひとつになったり、

その先に彼の赤ちゃんを幸せのうちに産んで育てたり出来たら。

あなたの人生はとってもキラキラなものだよね。

そのためにも、今は自分を大切にしつつ。

カラダも心も大切にして、今しか出来ない楽しいことをいっぱい満喫してね。

同じ女性として、あなたの幸せな未来を心からお祈りしているよ。

 

 

 

最後に。

冒頭にお話ししたシークレットゾーンについてだけど。

男の子にも…女の子と違って下半身だけだけど。

シークレットゾーン、つまり水着で隠れる部分があるよね。

 

女の子でいえば、パンツを穿いて隠れる部分。

男の子のその部分にもね…やっぱり同じようにね。

大好きな女の子とひとつになるためのヒミツのパーツが隠されているんだよ。

 

 

いつか大好きな女の子と巡り会って、女の子とひとつになるための、

男の子にとってのトップシークレット。

男の子もまた…大好きな女の子にだけしか見せちゃいけないところだから。

だから…いつもは隠してるんだけど。

 

 

それから、女の子にとっては胸元も隠すべきヒミツの場所だって、

最初にお話したんだっけ、ね。

 

理由は、女の子の胸元を見ると男の子はさらにドキドキしちゃって、

好きな女の子のことがもっともっと好きになってしまうからなんだよ。

 

逆にいえば、男の子は好きな女の子の胸元はほかの男性には見せたくない。

独り占めしたい!って想いが働くもの。

 

だから、好きな男の子との幸せのために、

女の子の胸元もまた、下半身同様シークレットな部分。

そういうこと。

 

その話はまた、次の機会にね。

 

 

 

前田 穂花