ご無沙汰しています。穂花です。
手術を目前に控え、今は心静かに過ごせていることに感謝しています。
…ご挨拶の代わりに。
思えば人生初めての手術の朝。
ずっと気になっていて…怪しいフランス語の知識のまま、
読んでいたSylvain Lebelさんの詩を。
病室で術着に着替えたあとの待ち時間に、
私自身の言葉に置き換えようと試みたものを、
ここに貼らせていただきますね。
最後の意志(生きる) Sylvain Lebel 原詩/前田 穂花 訳詞
私は迷うことなく生きてきたから
悔やむことなく死んでいけるだろう
もう充分に愉しんだから
「もっと生きたい」なんて叫びもしないだろう
天国の代わりに地獄を選んだ
神様さえも怖くない私だ
そして自分の心を保つよ
死は私の髪の毛を掴んで引き寄せるけれど
生きる 生きる 太陽が昇らなくても
夏が訪れないとしても
生きる 生きる それが私の最後の意志
ありふれた言葉がある
神様は確かにいるよという
まるで聖書に書かれているかのように
ペテロはいいひとだよと
天使には羽があるよと
鶏には歯があるんだよと
そしてあの世で白い服を着て
私はチェロを弾くのだと語る
生きる 生きる 家がなくても
靴さえなくても 生きる 生きる
それが私の最後の意志
私は軽々しく暴言を吐いてしまった
友達が私のことを
「裏切り者 愚か者 あいつこそ
ダメなクリスチャンとして死んでいく奴だ」
そう大声で言うから
卑怯者のように言い訳をしながら
私はただ笑いたいんだよ
誰にしろ私の立場だとしたら
いきなり老け込むに違いない
生きる 生きる
足が悪くても 片足を失くしても
生きる 生きる
それが私の最後の意志
暗闇の中に光が見えるよ
ユーゴー爺さんはそう言ったけれど
何しろ歴史に疎くて
ユーモアにも欠ける私だからね
いいや、もう私には
クロスワードパズルを最後まで解く気も失せてるんだよ
小さな扉から出ていくことにするよ
震えあがりながらね
生きる 生きる その時が来たら
行くべきところに私は向かうよ
生きる 生きる 苦しい時の神頼みだけど
生きる 生きる 真夏の太陽を浴びて
生きる 生きる
それが私の最後の意志……
――いろんな解釈があると思いますが。
そもそも、人生においては正解というものすらないので。
もはやどのように読み違えてしまっても、
間違いではないのだと私は考えたいな。
*去る10月30日は島崎藤村の「初恋の日」。ちょっと肖ろうかな…と思って。甘いモノを口にしてしばしの幸せに浸りました。
――もう少し私が元気になれたら。
改めて皆さんのお目にかかれますように。
激励のお手紙やメールをくださっている皆様にも、
心から感謝いたしております。
末筆になりましたが、この場を借りてお礼申し上げます。
本当にありがとう。
前田穂花
- 投稿タグ
- 穂花の想い
穂花様
お世話になります。高野です。
コメントいただき、ありがとうございました。
深い歌詞ですね。
人は境地に陥った時に本性がでるといいますが、どんなに苦難な状況でも前を向いていられる穂花様は正直すごいと思います。きっとその裏にはお辛いものを沢山抱え込んでいるのだと思います。
また、沢山の経験の中から色々なものを学んでおられると思います。
人生は良いことばかりではないけど、理不尽なことばかり起きるかもしれないけど。それでも向かっていかなければならないんですよね。
穂花様が何処にたどり着くのか私も楽しみにしております。
きっとそこには、ご満足する光景が広がっていることでしょう。
応援しております。
高野大輔様
いつも応援ありがとうございます。
前田穂花です。
永く体調を崩しており、お返事が非常に遅くなりました。
申し訳ありません。
正直、ただひたすらダサくてカッコ悪くて…。
皆様に申し上げられそうなことは何一つございません。
「隠したいことばかり/僕の歴史なんて/誤魔化したいことだらけ/過去なんて」
(Winter Mute by Kaori Kawamura)って心境です…本当に。
ですが。
これでも…皆様のお支えのもと、私は五十年近く生きてこられました。
単純に感謝しつつ、
もう後ろを見ても今さらどうしようもないから。
ただ未来だけを見つめて最後の最後までワクワクと胸をときめかすくらいの私でありたいです。
本当にほんとうに。
私は周りのかたよりちょっぴり?長く生きているから、
経験したことも多いに過ぎません。
私は全くクレバーではなく、同じ失敗を繰り返し、
歴史どころか自身の過去にも学んでおりません、それくらい愚かですが。
それでも。
とにかく前を向くしかない、死ねない以上…生きているしかない。
四十八年の人生でそれだけは理解出来たことはよかったと、
今はそう思えています。
そして、こんな心境に至ることが叶っている、
自分の心の健康さに感謝しています。
来たる2017年が、高野様にとって希望の毎日でありますように。
前田穂花