穂花です。
脳梗塞の後遺症で日々苦しみながらも、
死ねもしないままに暑さ厳しい夏を超えました。

さて。

以下は覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕拘留後に起訴されて、
有罪判決を受けた現在は控訴し、首都圏のある拘置所内で刑の確定を待つ、
薬物依存症の男性に対して私が実際に書いた手紙です。

*実際に私がしたためた手紙をそのままトピックとしてアップしてはいますが、
内容上、被疑者である彼の個人情報その他については伏せました。
ご承知おきください。

Sさんへ

お手紙ありがとう。穂花です。
あなたから頂戴したお便り、確かに拝読いたしました。

私はあなたについて、内心一切の情状酌量の余地はないと思っているわよ。

同じ失敗を何度も繰り返してしまう弱すぎるあなたに対し、
「コイツ…学習能力ないのかよ」という憤りにも似た感情も抱いているし。

法に触れて逮捕されたことについて。
「パクられた」=へまをやらかして捕まってしまった…
というニュアンスで表現する、そんなあなたに対し。

私は「人生を舐めんじゃねえ!」って怒りも持ってはいるしね。

要は考えが甘いんだよ。

甘ちゃんなあなたを社会が切り離そうとすることも…
あなたがそれに対し孤独を感じることも致し方ないのよ。

要はあなたが自分を不幸にしているわけだからね。

だからこそ、償いとしてきちんとした手順を踏みつつ幸せを掴みなさい。

まずは身の丈にあった幸せをゲットしなさい。

穂花さんにこんなことを言われて口惜しい。
そう少しでも感じるのであれば。

何一つあなたに優しくしてくれない、冷たい社会への恨みの感情を、
あなた自身の力に変換しつつ。

あなたが正しい意味合いで幸せになることを通じて。
粗末に扱い続けたあなた自身に対して、きちんと償いをしなさい。

失敗ばかりを繰り返し、法に触れてばかりのあなたを、
社会が爪弾きするのも無理からぬことだよ。

だけどね。

何度も薬物に手を染めて失敗を繰り返す時点であなたは病気なのであり、
そういった意味で(あなたが心身の治療を受ける権利を保障することを含め)
社会が責任を負うべき部分はいっぱいあるから。

あなたがこの社会から切り離されてしまわないように、
私も微力ながら心を傾け続けようと思う。

もしもあなたがご自身の犯した行為、その責によって…。
正しく償う機会をあなたから奪うことは大きな社会的損失だと思うから。

仮にもあなたが社会から切り離され、一切の支援も享受できず、
本当に孤独になってしまったとしたら。
同時にあなたは正しい反省をし、
自身のこれまでを償う機会をも奪われてしまうだろうから。

前田 穂花