…道ならぬ恋を穏便且つ円満に終わらせる方法はただひとつ。

私から連絡を絶つことだ。

 

あなたのメアドを登録から消去し、電話番号も消して…。

さらには私自身の電話番号やメアドも変更してしまいさえすれば清算出来るのだ。

 

これでよかったんだって思いたい。

思えればいいのに…。

 

それでもけじめをつけるんだ、そう言い訳をしつつ、

相も変わらずしみったれてメールしている私は本当に愚かだよ。

ケリを入れてやりたいよ。

「私」という存在自体をあなたの連絡先と一緒に、

消去出来ればどんなにいいだろう。

 

私はあなたのことを夫として愛しているあなたの奥様はじめご家族にそれでも、

心から深謝してた。

今のあなたがあるのは、ひとえにあなたのことを愛し続ける奥様や、

ご家族、ほかあなたの日常を支え、あなたという人間を形作るものがあるから。

だけど。私があなたを好きだと思う時、

同時に私はあなたにとっての大切なひとたちを傷つけ、

裏切り罪を犯してしまっている。

 

だから、あなたを好きになることと同時に、

罪の意識に苛まれるのは当然のことなんだね。

私は罪を犯しているんだから。

それが私にとっての当然の報いであり、

私はその人生の全てに於いて苦しみ続けることで贖罪する。

 

愛されたい。とにかく愛されたかった。

しかしながらこう愛されたいとひたすら渇望しなければならないこと自体、

本当は愛されていない何よりの証拠なのだ。

 

二番手であることがつらくて切ないのではない。

わざとセカンドを選択した私なのだから。

 

それでも一緒にいて欲しい時にこそ会えない。

仮に会っても身体の関係だけしか共有出来ない。

会っている時にさえ罪に自分の手を染めている私。

 

本来であれば誰かを好きになること自体は素晴らしいことなはずだけど。

私にとってはそのひととして何よりの幸福が、

イコール罪であり苦しみでしかない。

 

もうこうやって苦しみ続けて罪を犯すことから足を洗いたいよ。

まともになれるもんならなりたいよ。

 

この関係性が苦しいと感じていること自体すでに潮時なんだと思う。

このまますべて忘れたい…。忘れられたらどんなにかいいだろう。

 

もはや人生の限られた時間を浪費しているのかも知れない。

こんなに苦しむくらいなのであれば、

もう一生誰のことも愛さなければいいんだ。

私は愛することの真意を知らないし、

愛される資格すら持たない汚れた存在だよ。

自分では自覚出来ていないだけで私はそのカラダも、心も荒んで汚れまくっている。

 

愛される資格すらない私なのに、ひたすら愛に渇望し、

関係性の云々を超越して愛に生きることを望み続けていた。

意味もなく愛される経験がしたかったよ。

 

そう希うこと自体が罪であり、満たされていない言質だ。

苦しい、もう疲れたと思っていることは即ちもう潮時なんだと思う。

 

それでも好きだったよ、

もう最後かもしれないから無礼講で言う、大好きだった。

いわゆる略奪愛なんて微塵も願ってはいなかった私だけれど、

それでも寂しい時には会いたかった、つらい時にはただ抱き締めてほしかった。

 

もう何をいってもダメなんだと思う、言えば言うほど自分が惨めになっていくだけだ。

 

…今は無理やり忘れようとはしない。ただひたすら泣く、それだけ好きだったのだ。

 

時間が心の傷を多少たりとも癒してくれたら、少しずつ整理していくよ。

あなたを思い出させるものはすべて処分するよ、

それこそ布団からして買い替えるよ。

 

だけど今はムリしない。

泣けばいいし最後まで苦しみ続ければいいんだ。それが私に出来る唯一の償い。

 

敢えてあなたをキライになる努力もしないよ。

キライな部分はいっぱいあるけれども、それも含めて好きだったよ。

むしろこういう気持ちのまま潮時を迎えてよかったのかも知れないよ。

私自身はひたすら苦しいけど、

あなたを憎んだ上で関係を断つのであれば、余計に惨めになったのかも知れない。

 

記憶の中にあなたが存在として生きている間は、

私はいつまでも苦しみ続ける、それが私にとっての償いだ。

私はお会いしたことがないけれども、

そして私のことをご存知ではないだろうけれども、

夫たるあなたの不貞を見抜いているであろう奥様は、

私があなたと幸せだったあいだずっと、

今の私のように切なく悩み、ひたすら苦しんでいたはずなのだから。

 

 

他人に犯した罪は必ず自分に返ってくるんだ。

因果応酬、自分が犯した過ちを今私は甘んじて受けているだけだ。

苦しむことを恐れないよ、それだけが私の人生における償いなのだから。

 

この苦杯を黙って飲み干します。

 

もう私のことで苦しまなくてもいいよ。私が愚かだったのだ。

 

この苦しみがいつか私の生きる上での糧になりますように。

あなたにひとつだけお願いがあります。

これ以上私のように悲しんで苦しむ女性を生み出さないでください。

苦しむのは私と…そして奥様で終わって。

オスの本能で女性をもうこれ以上傷つけることは止して。

あなたにとってはただの遊びだったのかも知れないけれど、

私にとってはそのたびに心が痛み、ただ苦しみだけが残りました。

 

それでも好きでした。

 

大好きだったあなたに…苦しかったけど。

それでも苦しいことも含めていろんな想い出をありがとうね。

刹那的な瞬間だけは死にそうなくらいに幸せでした。

 

今まで本当にありがとう。

どうか、私の分まで最愛の奥様を愛して、これからも幸せであってください。

――少なからず好意を寄せている相手をキライになるための努力って、

かなり心を病むし、

本心でないことを無理やり思い込むわけだからかなりのストレスだった。

 

それでも。

私はあなたのことも含め、全てを断捨離したかった。

理由は伏せるけどとにかく誰にも言えないようなことばかりで…。

あなただけでなく、

私に繋がる全ての人たちとグッバイしたいくらいに私は追い込まれていたから…。

 

もう誰にも物理的に逢わずに、連絡もつかないように…。

いっそ地球の裏側にでも行ってしまいたかった。

 

というよりも、そもそも「私」という。

そういう人物が存在したこと自体忘れてもらいたい、

はじめからいなかったことになりたかった。

 

だけどね。

仮に物理的に私自身にかかわるいろんな人の存在を消去し、

わたし、という名前のデスクトップ上の「ごみ箱」に移動させてもね…。

「わたし」であるところの、私の心からいろんな人に対する記憶やら…。

そういうものまで消すことはできなかった、出来そうになかった。

この世に起こり得る事象全てのうち、

何より面倒臭い問題は、心にまつわるものだと改めて考えた。

 

散々思い悩んだ末。忘れられそうにない、消去出来ないというのであれば、

無理して忘れてしまう努力、

キライになりたいなんて心掛け自体無意味なんじゃないかという想いに辿り着いた。

物理的に別離を果たしたとしても、心が忘れられないのであれば…。

もう今は自然の成り行きに任せればいいのかなあとも。

 

いずれにしても人間の生命は有限だから。

永遠に続く苦しみもなければ永遠の愛なんてものも眉唾物だ。

よく結婚式で「永遠の愛を誓う」とかいうけどさ…。

そんなもん牧師の戯言もしくは結婚式場のセールストークだろうと、

子どもの時から胡散臭く感じてた。

 

人間なんて変わるもんだし。

自分が変われば人間関係もそれに合わせて自ずと変化するものだ。

私は家庭とか家族とかそういうものさえ信じないしそもそも知らないから、

幻想だと思っているから…。

人間関係も別にね、永続的なものだなんて思ったこともない。

血縁関係だってこのご時世、もはやとっても希薄だ、

「血は水より濃い」??いや、殆んど水と変わらないだろう。

そう思う。

 

誰に対してもそう思うくらいの私だから。

大体、なんの利害関係も発生しないはずのあなたという存在に、

そんなに思い悩む必然があるのか、そう思えてきた。

 

今一緒にいて幸せなのであればそれ以上の理由は要らないんじゃん。

 

時間の経過とともに、あなたも私よりちょっと離れた場所から、

私を見つめていてくれるだけの…私の心の拠り所みたいな存在に、

姿を変えていくかもしれないし、

あるいは何もお互いの人生が交わらなくなって終わるかもしれないけど。

 

終わるのは別に悪いわけでもないんだ、いつかは生命としての自分も終わるんだし、

だいたい、私は本来あなたとは関わってはいけなかったわけだから、

終わってもそれはそれで正解なのだ。

そこをつらく悩んでしまったり今から不安に感じるよりはむしろ、

今出会ったことを楽しめばいいんじゃないかと気づいた。

 

出会ったこと自体に意味を盛り込むことが最初から間違っているのだ。

一緒にいて何となく幸せだったらそれ以上の理由なんか要らないんだ

あなたに限らず誰に対しても。

 

誰に対しても人間対人間の繋がりなんてね。すっごく希薄なもんだよ、

人間は避けられない別れという名の絶望で、

繋がっていると思ったほうがむしろ賢明だろう。

そこに愛とかそんなどうでもいい言いかえを持ち込むから…。

やたら人間関係を美化するから、

本来楽しいはずの人とのつながりがただの苦痛になってしまうのだろう。

 

そう思った時にね。例えば…。

あなたの匂いが私の好みだから一緒にいると安心出来るのだと。

それくらいの理由付けで十分だろうと思えてきた。

もともと意味のないものに理由づけをする必要なんかない。

永遠なんて信じないのだから、刹那的に相手を思えば生きていけるのだ。

そう思う私のことを誰が不幸だと後ろ指を指せるだろう。

いったい誰が私のことを非難したり笑ったり出来るんだろう。

私は子どもの時から激しい孤独と絶望の中に放り込まれたから、

物事は絶望からしか始まらないことをよく知っている。

そして…愛という名の得体の知れないものに対する渇望が、さらに私を…

絶望の淵に突き落とし沈めていく。

 

絶望からしか物事を始められないことを誰よりも理解していることを、

私もかつてはものすごく恥じていた。

そういう自分は心のどこかに欠陥があるのかと思ったから、

わざとにこにこして挙動不審にふるまって…。

自分のダークな部分を見せないように心掛けてた。

 

でも。他人より生きることについての真実をちょっとだけ多く知っていることは、

本来は望ましいことだよ。そこを恥ずかしく思う必要は全くないし、

無理して笑って明るい自分を演出する必要も全くないのだ。

 

あなたの匂いが好きだから私はあなたと一緒にいる。

それ以上の意味はもはや要らない、そういうことにする。

変わったら変わったで別にへいちゃらだよ。キモい話かも知れないけど…。

あなたが使ったあとのタオルは、

お洗濯してもなぜかあなたの匂いが残ってる。

夜…怖い夢を見ないように抱いて寝てる、いい暗示がかかることもある。

絶対ではないけど。

 

――何かもう殆んど疲れ切っちゃってて。

本当の気持ちはすでに醒めてしまったのかも知れないな。

なのにね、私はものすごく不安に苛まれてしまい…せっかく受信拒否した、

あなたのメアドを再び受信可能に戻し、

電話の着信拒否も解除してしまったよ。もう本当にバカ

ラブアフェアに現を抜かすあなたよりむしろ、

わかっていて過ちを繰り返す私自身にとにかく罰を与えたい。

 

 

私が若い日に…。

これまで自分に対して実行する罰といえば。

髪の毛を自分の手で引き抜いたり水を多量に飲んだり、

オーソドックスにリスカやODなどなど…つまり自傷行為だった。

痛かったよ、自分の身体を傷つけることは。それでも…

自分の身体を傷つけていないと「私」という存在が消えてしまいそうで心細かった。

自分を傷つけることは即ち自分の存在を確認するのに等しかった。

 

あなたに身体を赦すのも私にとっての一種の自傷行為だよ。

そうしている間だけは自分の存在が必要とされているんだという想いに浸れるし、

生きていけそうに思えていた。

 

だけど…もう本当に疲れちゃったのね。

別に結婚したいと望んでいるというわけではないんだけど、出口も見えず、

何の未来も見出せないふたりの関係。

それなのにやめられない、悪いことだとわかっているのに足を洗えない。

ただ絶望感に似た想いだけが深く私の心を占めていく。

 

スッパリ忘れられたらどんなにか幸せだろう。

私は本当にバカだよ、いちばん悪いのは私だと知っているのに。

悪い私だからこそ苦しめられ罰として悩まされ続けるんだね。

生きているだけで、あなたにただ好意を寄せるだけで同時に罪を犯す私という存在。

そんな…私という存在を消すことが出来ればどんなにかいいだろう。

 

 

愛されたかった、ただただ愛されたかった。

子どもの時からただそれだけを望み続けた私の心の隙間に、

いろんなオトコが「愛しているよ」といいながら都合よく入ってきた。

私はこれまでずっと都合のいい女でしかなかった、身体以上に心を利用された。

本当にバカ。それでも…ただの「排泄の道具」でしかなくても、その時間だけは、

自分が愛されているという錯覚に溺れられたよ。

 

死にたい。

死ねばすべてのイヤなことが終わる。罪を犯すこともなくなるんだよ。

 

おそらくそれでも。

あなたは私が消えてしまっても、違う女に愛しているよと囁きつつ、

愛しているよと甘い言葉を囁きつつ自分の欲望をぶつけるんだろうな。

同様に私自身も、例えあなたとの別れを決意して距離を置いても…。

喉元過ぎれば何とやらだよ、誰かに必要とされている錯覚がないと生きられない、

バカな私はほとぼりが覚めれば寂しいとまた思うんだろう。

そして、また誰かの都合のいい女になって愛されている錯覚としてのセックスを…

求めては相手のステディなパートナーを傷つけてしまうのだろう。

 

死んでしまえるといいな、死なないと治らないいわば病気だよ。

死ねたらすべては終わるのかな…私自身に関していえば。

あなたのほうはそれでも、満たされないといってひたすらラブアフェアに、

走り続けて一生を終えるんだろうな。あなたこそ本当のバカだけど、

それでも私はあなたのことが大好きだったし、心も赦し始めていました…。

これが人間の原罪ってヤツなの?

 

きっと私は生まれたこと自体が罪なんだよ、例えばよく障害児を産むと、

家庭が不幸になるというけど、その真意は本当のところわからないよ。

当事者にしかわかり得ない苦しみというものは確かに存在するだろうし、

はたまたウソかも知れないし。

ただ、罪を犯す私は少なくとも社会全体に迷惑をかけ不幸を呼び込む。

あなたの奥様を間違いなく傷つけている。

 

そうはいってもあなたに心を開き始め赦しつつあった時、

私は幸せだったし、生きてきてよかったとはじめてちょっとだけ思ったよ。

そういう気持ちに至れたのははじめてのことだったよ。

こういう気持ちにしてもらったことについては深謝する、知らなかったよ。

愛されるって幸せなことなのかと思った、例えまやかしであっても。

 

――ムリしてあなたのことを忘れようとはしない。

忘れなければならないと理性では悟っている、だけど。

心の奥底では忘れることを拒否して張り裂けてしまいそうだ。

今はただ苦しむよ、苦しむことが即ち私の贖罪なのだから。

苦しんでどうなるのかという想いもあるけれども、何ひとつ心が納得しないし、

苦しいと思いつつもあなたのことを忘れられないバカなおんななのだから。

 

苦しんで苦しんで病んで寿命を全うして死にます、

それだけが私に出来る唯一の罪滅ぼしだから。

そういう意味では苦しくて、

ひたすらつらくてよかったのだとさえ思ったりもするくらいだよ。

痛くも悲しくもなかったらきっと、私は自分の過ちに最後まで気づくことさえなく、

さらにあなたにとっての大切な人を苦しめたはずだから。

 

あなたに会わなければ自分の手を悪事に染めることもなかっただろう。

だけど、あなたに出会ったからこそもっと生きたいと、

心から希う瞬間も確かにあった私だよ。

生きていること自体が罪だよ、それは意外と私自身だけの話でもないのかも。

生きている以上はほかの生命を殺して食し、自分を守るために他者を蹴落とし、

ひたすら保身に走り、時に狡いウソも付かなければならない。

――そう気づかされる瞬間、死ねるといいな、生まれて来なければよかった。

そんなことを心から願ってしまう。

生まれて来なければ他者を傷つけることも、それによって罪の意識に苛まれて、

苦しむこともなかっただろう。

でも、それでも私は償いとして死ぬことすら許されず、

人生が終わるその瞬間まで苦しまなくてはならない、それが私の罪に対する贖い。

 

だからこそあなたは、もう私のことで悩まなくてもいいんだよ。

この際、私を都合よく使って。

私はすでに汚れきって雑巾みたいなもんだし。

私はきっと粗末に扱われるために生まれた、

たかが雑巾だからみんなが粗末に使っただけだ。ただそれだけのことだよ。

だけどね、もう他の女性を雑巾扱いしないで。泣くのは私だけで終わらせてほしい。

こんな、ゴミみたいな私ですら心がすごく痛いのだ。

どんな女にも心はあります。本来は女性の本能としてひとりの男性に愛されたい、

若しくは愛されたかったと思うのがおんなです。

だから、あなたの欲望のままに女の人を粗末にし、

都合が悪くなったら保身第一に別れるまたは逃げる、もうそういうのは止して。

 

 

もし、私の身体で「火遊び」をやめてくれるというならば、それこそ雑巾みたいな、

社会のゴミでしかない私であってもそれなりの存在意義はあったんだともいえる。

 

生きていくのはただ切ないな。でももう生まれてしまった以上は仕方ないから。

私はゴミとしての社会的役割を全うし、もうこれ以上何も悪くないほかの女性が、

私みたいに男性のはけ口にされないための防波堤になります。

――そう決意させてくださっただけでもありがとうと私は申し上げたいよ。

 

あと、ほんの刹那の愛や幸せの実感にもありがとうと言う、

私はそういうことすら知らなかったよ。

あなたと過ごす刹那的な瞬間だけはアタマが真っ白になりそうなくらい、

幸せを実感出来ました、おんなとしてね。

もうそれだけでよかったんだとせめて私は思いたいです。

私は最初からスケープゴートです、そういう運命のもとに生まれました。

スケープゴートになり切ることで他の人は多少なりとも不幸を回避出来たのだし、

実際の話、私が犠牲になれば、私が我慢さえすれば…

丸く収まることはこれまでもいっぱいあった。

だからこそ…私は死ねませんでした。

 

そういう存在意義があるだけでも、私は社会に望まれていたのだとそう今は、

思っていたいです。

犠牲になることで生きて来た意味はあったのだと。